「臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」を読み終わって(電子書籍のタイトルは「美しいアナベル・リイ」)「水死」に行く前が今の状態でした。
久しぶりに大江さんを読んでいて「人生の親戚」「取り替え子-チェンジリング-」が強く残りました。「人生の親戚」の障害を持った兄と車椅子生活の弟が崖から飛び降りるシーンを大江さんはどのようなまなざしで描き進んでいたのだろうとしみじみ考えました。まり恵さんという人物の生涯も突き刺さってきました。「取り替え子」の最終章のガラッと入れ替わる千樫さん側からのゆったりとした話術も感動的でした。
中学生の時に入手した「筒井康隆全集」の最終巻の解説が大江健三郎。思えばこの解説が大江健三郎の文章との初出会い。
今日の晩酌後に久しぶりにこの解説をじっくり読んでみました。


筒井さんを読まなければ大江さんにたどり着けなかったはず。
大江さんは小説に付される題名も独特で、印象に残る作品が多かったです。
「僕が本当に若かった頃」という長めの短篇小説の題名がとても印象深く残っています。
石垣
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